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当店がお勧めしている根頭癌腫病対策の1つ、バラの体内洗浄の解説をします!
やることは至ってシンプルですが、所々ポイントがありますので、誤ったやり方で作業が無駄にならないようしっかり理解して取り組んでくださいね。
「警告」YouTubeにあるウチの真似事では効果は出ません
最近、YouTubeに根頭癌腫病対策がいっぱい出ているようです。
しかも、ウチのピキャットクリアが木酢液や逆性石鹸やミルトンなどに変わっているだけのものがあります。
木酢液や逆性石鹸は薬液の性質上吸えないですし、ミルトンを吸ったら木質化されていない細胞は壊れます。
バラが枯れてしまいますよ!
「できそうな気がする」のはわかりますが、感染症対策は科学的根拠があってのことですので真似事はどうかなと…
やる意味が無くなってしまいますし、化学的にわからなければ弊害や事故に繋がる危険性もあります。
根頭癌腫病対策での有機土壌の活用や体内除菌などはすべてピーキャットが初めて世に出した知識です。
土をしっかり作れば根頭癌腫病を防げると言ったのもピーキャットです。
言い出しっぺとしては、デタラメに使われることにとても困惑しています。
ノウハウを出したことを後悔しなければいけなくなりますので、できれば削除していただきたいと思います。
真似事では効果などまったく望めません。
根頭癌腫病とは
主に根や株元にコブを作り、バラを弱らせたり、枯れさせる病気です。
他の株にも伝染します。
根頭癌腫病については、こちらに詳しく解説がありますので、ぜひご一読ください。
体内洗浄とは
バラの体内洗浄はピーキャット独自の癌腫病対策の1つです。
簡単に言うと、バラに次亜塩素酸水であるピキャットクリアを吸わせ、バラ体内に潜んでいる癌腫病菌を除菌するというものです。
体内にいる菌を死滅させることで、他のバラへの感染予防や、更なる細胞の癌化を食い止める事を狙います。
癌腫病の菌は非常在菌です。正しい対策で感染拡大を防ぐことができます。
大切に育てているバラが取り返しのつかない状態になる前に、対策をしていきましょう。
準備
必要なもの
・ピキャットクリア100ppm液
(・ピキャットクリアを作るための混ぜる棒、柄杓など)
・きれいに洗ったバケツやタライ
・しっかりと根から土やゴミを取り除いた状態のバラ
(複数本ある場合は何のバラかわからなくならないように、名前を付けておきましょう。)
株の大きさにもよりますが、目安として、体内洗浄を行うバラが1〜2本であれば10Lバケツ、5本前後までであれば20Lバケツ、それ以上であればタライがお勧めです。
必要な場所
・直射日光が当たらず、ホコリのたたないところ
・水を流したり、水換えが出来るところ
お風呂場もいいかもしれませんね!
作業解説
1.バラを浸けるバケツに100ppmのピキャットクリアを作る
今回は洗浄するバラが3本なので、20L容量のバケツに、20Lの100ppmピキャットクリアを作っていきます。
直射日光の当たらない、埃の立ちにくい場所で行って下さい。
体内洗浄はピキャットクリアをたくさん使うので、生成セットでピキャットクリアを用意するのがお勧めです。
20Lの100ppm溶液は、生成液40mlずつで作れます。
▼生成セットからピキャットクリアを作る動画▼
※ピキャットクリア500を使用する場合は、水で5倍に薄めて100ppm液を作ってください。
2.バラをピキャットクリアに入れる
しっかりと根を洗ったこれらのバラを体内洗浄します。
剪定は仮剪定を行っただけの状態なので、枝が長めです。(植え付け後、2月頃に剪定をしました。)
品種名がわからなくなると困るので、名前をつけておきましょう。
今回、接ぎ木テープに名前を書き縛ってあります。(方法は何でも良いです。)
これらのバラをまとめてゆっくりとピキャットクリアの中にいれ、3~4時間放置します。
終わったら、軽く水で洗い流しましょう。
▼ピキャットクリアに浸ける~洗うまでの動画▼
これで体内洗浄は終わりです。
終わったらすぐに植え付けできます。
Q&A
Q.バラへの悪い影響はありませんか?
A.バラに悪い影響はまったくありません。
ご不安に思う方のために、この動画で使用した株の翌春の写真を載せておきます。
※上の株の写真と同じ順番で並んでいます。
Q.バラの根っこに泥汚れが残っていたみたいで、水が濁ってしまいました
A.泥で汚れてしまうと、バラがピキャットクリアを吸う前に、失活してしまっている恐れがあります。
多少のゴミが浮くくらいはあまり急激な失活はしませんが、泥汚れは一気に失活してしまい、作業が意味の無いことになってしまいます。
漬ける前に水が濁らないくらいに汚れが落ちているかしっかり確認してからおこなうのがお勧めです。
Q.これで、もう癌腫のコブは出なくなりますか?
A.今後もコブは発生する可能性はあります。
癌腫病のコブは、癌化した細胞があると発生する可能性があるので、癌腫菌がいなくても、すでに癌化した細胞を持つ株だった場合は体内洗浄後もコブが作られる可能性があります。
体内に癌腫菌が居ない可能性が高いですが、念のため再度体内洗浄することをお勧めします。
Q.たくさんの本数を一度に浸けたら、効果が薄まりますか?
A.その可能性が高くなるので、漬ける時間を長くして下さい。
たくさんの本数をつけると、その分不純物の入る可能性も高くなるので、失活しやすくなります。
その場合は、適宜浸ける時間を長くすることで、ピキャットクリアを体内に巡らしやすくなります。
生産の時は、たらいにたくさん浸けるので、夕方から朝まで1晩置いていることがほとんどです。
朝の時には、大体20~30ppm位まで失活していますが、暴露時間を長くすることで十分な効果を出せます。
Q.毎年やっても大丈夫なものでしょうか?
A.もちろん大丈夫です。
菌がもう居ないとはいえ、またコブができると不安なものです。
また、違う株から感染してしまっている可能性も否めません。
徹底したい株は、毎年体内洗浄してあげましょう。
Q.一度漬け終わったピキャットクリアを、そのまま次の体内洗浄にまた使えますか?
A.使えません。
上記にもありますが、体内洗浄が終わったピキャットクリアは大きく失活しています。
新しく行う場合は、新しいピキャットクリアを用意して下さい。
Q.葉がついている時期でもできますか?
A.出来ないことはありませんが、リスクは大きいです。
葉がついている時期は、葉からの蒸散が行われているので、吸う力は大きいですが、ダメージも否めません。
よほどの事が無い限り、休眠期に行うのがお勧めです。
Q.新苗も体内洗浄できますか?
A.出来ないことはありませんが、リスクは大きいです。
新苗を体内洗浄したい場合もあります。
しかし、新苗はまだ根も柔らかい白根が多く、枝葉も柔らかく、葉も落とすことが出来ません。
そういった株の根をむき出しにし、次亜塩素酸水にさらすことは、ダメージも否めません。
バラの扱いに慣れている方、栽培に精通している方でしたら行っても問題ないかと思います。
初めての方やご不安な場合は、ご相談も承ります。