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ピキャットクリアを散布したら葉っぱに薬害が出た!
ピキャットクリアにスカッシュを混同したら薬害が出た!
薬害が怖いから50ppm以上に濃度を上げられない…
慣行栽培の農薬散布で起こる薬害と有機栽培のピキャットクリア散布で起こる薬害は違います。
今回は薬害について、初心者の方々にも理解してもらえるように解説します。
まずは慣行栽培と有機栽培の葉っぱの違いを理解しましょう!
慣行栽培(農薬や化成肥料を使う栽培)の葉っぱ
葉っぱは厚く堅く色が濃いのが良しとされています。
農薬を使うので薬品耐性などの外部刺激に強い葉っぱが好まれます。
有機栽培の葉っぱ
若く柔らかくみずみずしい葉っぱが良しとされています。
外部刺激には弱いですが、強い光合成のために細胞に若さを求めます。
この葉っぱの違いがあります。
有機栽培ではピキャットクリアでさえも薬害が出ますが、これは外部刺激に弱いというデメリットがあるからです。
そのために必要な技術は、外部刺激に弱い葉っぱをどうケアしていくか?ということです。
農薬使用時の薬害とは考え方がまったく異なるので、まずは超基本的なことから話しますね!
薬害症状は4種類あります
まず、薬害症状とはどうして起こるのか?を考えます。
(1)葉っぱの細胞が薬剤の刺激により細胞が壊れる
(2)葉っぱに病原菌や腐食菌が増殖し葉っぱの細胞が壊される
(3)葉っぱの細胞内部の水分が奪われることで細胞が壊れる
(4)葉っぱに付着した薬液がレンズのようになり葉焼けが起こる
ピキャットクリアは弱酸性ですし細胞への刺激はゼロなので考慮するのは
(3)葉っぱの細胞内部の水分が奪われることで細胞が壊れる
(4)葉っぱに付着した薬液がレンズのようになり葉焼けが起こる
ですね。
(4)は陽の光強い時間を避けてもらえれば良いので…
考えるべきは
(3)葉っぱの細胞内部の水分が奪われることで細胞が壊れる
だけです。
有機栽培の葉っぱは外部刺激には弱いですが、だからこそ刺激の無いピキャットクリアを使っています。
まずは自然から学びましょう!
強い陽の光さえ避けてもらえば、ピキャットクリアでの薬害はかなり限られます。
まずは自然から学びましょう!
自然の草むらを想像してみてください。
乾燥する春や秋も、雑草たちは朝露が付いていますよね!
この朝露!実は葉っぱはこの朝露を吸収しているんです。葉っぱって水を吸収するのを知ってましたか?
自然の植物たちは葉っぱがみずみずしいですよね!
自然の植物の葉っぱは朝にはタップリ水を保水してるんですねえ!
さて、皆さんのところのバラたちはどうですか?
乾燥した春や秋でも朝露に濡れて、葉っぱはたくさん保水できて…
ん?朝露なんてまったく付いていない?空気が乾燥してる?
乾燥している住宅地では、バラたちもカッサカサなんですね!
そのカッサカサの葉っぱを急に濡らしたら…どうなりますか?
この実験は皆さんの肌を使ってやってみましょう!
乾燥した朝に手を濡らしてそのまま外で陽に当ててみましょう!どうです?肌がとても突っ張りませんか?
これ、手の皮膚にある水が奪われたから起こります。皮膚の水分まで持って行かれるんですね。
有機栽培の葉っぱの薬害も同じように起こります。
葉っぱを濡らすことで葉っぱ内部の細胞の水まで持って行かれて細胞が壊れて葉っぱが傷むわけです。
みずみずしい葉っぱだから起こることですね!
ならば!
この葉っぱ内部の水分を持っていかれないようにどうするか?を考えてみましょう!
これがピキャットクリアでの薬害対策となります。
有機栽培での薬害対策はこう考えます
刺激性のある薬剤など使わないのが有機栽培です。ですから、慣行栽培の薬害の考え方とはまったく異なって自然の摂理や生き物の特性を意識しての対策となります。
一つずつ理解して、できることをやっていきましょう。
薬害が出ないところは全く出ません
ピキャットクリア50ppmでも薬害が出るところがあるのに500ppmでも薬害が出ないところもあるのが、有機栽培での薬害です。
同じ品種を同じように育てているのにこうも違うのは薬剤の刺激性ではありませんよね。
ですから、薬害が出ない人はまったく考えなくても大丈夫です。
薬害が酷く出る人はできるかぎりの対策を取り入れていってくださいね。
薬害が出るでないは栽培の上手下手ではなく、環境と条件の違いです。
強い乾燥を感じたら打ち水から!
住宅地はコンクリートが多く湿度が極端に低いことが多々あります。
朝の水やりのついてに打ち水をもしっかり行って、できるかぎり湿度を上げたいものです。
最初から湿度が高い場合は薬害も出にくいので打ち水は必要ありませんよね。
これは住宅だけではなく、農業ハウスでも起こります。
乾燥が激しかったり熱を持ちすぎるハウスだと薬害が出やすくなりますので、まずは湿度を上げてから散布します。
できるかぎり植物が保水できている状態で散布しよう!
自然と違い、住宅地でのガーデニングは朝は植物たちが水分不足になっています。
土がしっかり湿っていても、葉っぱの保水は落ちています。
薬害症状が起こる人は、必ず水やりをして30分~1時間経ってからピキャット散布しましょう。
それでも薬害が出るなら葉水して葉っぱが濡れている状態にしてからピキャット散布しましょう。
「葉水は葉っぱを傷めるのでは?」
葉水による葉っぱの傷みは真夏に出やすいですが、乾燥シーズンの春や秋は大丈夫ですよね!
スカッシュを使わずガーディアンコートに頼ろう
スカッシュというてんちゃく剤は葉っぱの油分を取ってしまいます。
これにより葉っぱは薬液を吸収しやすい反面、葉っぱ内部の水も奪われやすくなります。
スカッシュは小さい害虫用なので、薬害が出る時期はスカッシュは使わずに害虫対策はガーディアンコートにしましょう。
100ppmよりも50ppmで!
大きな差はありませんが、100ppmのほうが水を引っ張りやすいので…
50ppmにしたほうがスカッシュの影響も少ないですし水が少しは引っ張られにくくなります。
薬害が心配な場合は100ppmよりも50ppmにして大量散布の方が効果が高まります。
調子が悪いバラのバロメーターに!
しっかり薬害対策できていると、特定のバラだけに薬害が出る場合があります。
その場合は、得に薬害に弱い品種かもしくは目に見えないダメージがあるバラです。
見た目にはわからないが水がしっかり吸えていない場合、たとえば根が食害を受けていたり土が劣化していたり成育不良に陥っている場合です。
こういう場合はケアを第一優先して、他と同じように扱わないことです。
また、品質の悪い新苗や大苗などはとてもダメージを受けやすいので注意してください。
(当店の新苗や鉢バラは乾燥の強いハウス内で100ppm散布しても問題ない育て方をしています)