濃度と曝露時間は理解できましたか?
続いては…
ここからがグーンと難しくなっていきます。
次亜塩素酸水を知っていないとわからないことなので、しっかり読んでくださいね!
3.曝露量
■シャーレの中にコロナウィルス1万個が入った溶液を入れ、それに次亜塩素酸水50ppm溶液で消毒処理をしたら1分ですべてのコロナウィルスが不活性化した。
ここには「量」については何も書かれていませんよね。「消毒処理したら」とは書いています。
曝露量を知る前に、薬液の特性を知る必要があります。
アルコール消毒液のエタノールは、揮発してしまうまで菌やウィルスへの効果をずっと持っています。
だから、コロナウィルスの1万個が入った溶液に数滴垂らして待っていたら、時間が経てばすべてのウィルスが不活性化します。
次亜塩素酸水は、有機物に触れると分子を失って水(のようなもの)に変わります。
だから、コロナウィルスの1万個が入った溶液に数滴垂らして待っていても、失活した薬液が邪魔して次の分子が当たりにくくなります。
エタノールなら、数滴垂らした量が曝露量になりますが、次亜塩素酸水は数滴垂らしても菌やウィルスには当たっていない量が多いですよね。
だから、こういう実証テストは比較にはならないんです。
エタノールは数滴垂らしても残効性があるので効果が持続する。
次亜塩素酸水は薬液を動かすことで残効性がなくても効果を出していける。
つまり、次亜塩素酸水は薬液を動かすことで曝露量(薬液を菌やウィルスにぶつける量)を増やしていきます。
ここ、イメージしにくいけど、わかるかな?
言い切っちゃうと、浸け置きには不向きだよ!ってことですね。
だから、上記の実証テストはサッカー選手がバッターボックスに入ったみたいな感じ!
浸け置き勝負なら、かなり分が悪くなります。
じゃあ、薬液を動かして(噴霧や流し)テストすればどうなるか?
噴霧勝負、掛け流し勝負なら次亜塩素酸水が圧勝します。
いや、エタノールをはじめとした消毒液、除菌剤は噴霧や掛け流しは使えないので勝負はできませんね。
じゃあ、申し訳ないけど「浸け置き VS 噴霧」なら噴霧が圧勝します。
これは次の曝露機会で解説します。
これを理解すれば、これも理解できます。
噴霧量が多ければ多いほど、曝露量は多くなりますよね!噴霧すれば薬液は動きますから、素の薬液が多ければ多いほど曝露量は増えていきます。
だから、次亜塩素酸水は噴霧して使うのが基本で、その噴霧量を調節することで菌やウィルスへの効果をコントロールできます。
1ppmが1個でも1ppm、1ppmが百万個でも1ppmというのはわかりますか?
1ppmより濃度が高くはなりませんよね!
1Lのコーラと1Lのコーラを混ぜても2Lのコーラとなるだけで、濃いコーラにはなりません。
ですから、曝露量が増えても濃度はまったく変わらなくなります。安全ですよね!
これを濃度と曝露時間との関係で書いてみます。
曝露量は「噴霧量」、曝露時間は「噴霧時間」に置き換えますね。
■噴霧量を多くすれば、濃度は低くしても菌やウィルスに効果を与える
■噴霧量を少なくすれば、液濃度を高くしないと菌やウィルスに効果が出ない
■噴霧量を多くすれば、噴霧時間を短くしても菌やウィルスに効果を与える
■噴霧量を少なくすれば、噴霧時間を長くしないと菌やウィルスに効果が出ない
どうですか?この3つをコントロールすれば、菌やウィルスへの効果、安全への取り組みができますよね!
4.曝露機会
これはとてもカンタンなことです。
薬液を菌やウィルスにどうやって当てていくか?ということですね。
大きな体育館で小さい加湿器で次亜塩素酸水を空間噴霧したって、薬液が浮遊している菌やウィルスにぶつかることはとても考えにくいですよね。
そりゃそうです。
この曝露機会は、「使い方」や「やり方」と考えてればいいですね。
たとえば、「噴霧力」というのがあります。
噴霧のチカラを強くすれば、噴霧量が増えますが薬液が菌やウィルスに当たりやすくなります。
噴霧のチカラを弱くすれば、噴霧量が減りますが薬液が菌やウィルスに当たりにくくなります。
たとえば、「噴霧する粒子の細かさ」というのがあります。
噴霧する粒子が小さいと、噴霧量が少なくても薬液が菌やウィルスに当たりやすくなります。
噴霧する粒子が大きいと、噴霧量が多くて薬液が菌やウィルスに当たりにくくなります。
どうですか?
噴霧する強さや粒子の大きさでも効果や安全性は変わってきます。
続く…