プールでは残留塩素濃度は1ppmまでなのに、目が真っ赤に充血します。
一方、次亜塩素酸水の空間噴霧では50ppmもの濃度ですが、目に染みるどころか目は充血なんてしません。

どうしてなのか?

その前に、ここでハッキリ言っておくことがあります。

空気中に浮遊しているコロナウィルスを、次亜塩素酸水の空間噴霧で壊せることはほとんど考えられない!

可能性はゼロではありません。
ただ、壊しているとは言えないレベルだと思われます。

まず、浮遊しているのは何か?
ここから考える必要があります。
コロナウィルスは裸で浮遊していますか?
違いますよね?飛沫、人間の唾液の中にコロナウィルスは存在しています。
もし、裸なら「次亜塩素酸水の空間噴霧は無敵だ!」と言いますが…そうはならないですよねえ…

では、この浮遊している唾液に次亜塩素酸水のミストが当たったらコロナウィルスは壊れるのか?
無理ですよね。いや、無理ではないですが確率はとても低いです。

実は、空気中でコロナウィルスが次亜塩素酸水のミストで壊れているところは誰も見たことがないと思います。
もちろん、私も見たことがありません。
ただ、結果的にウィルスがいなくなっています。
これで、「空気中で壊れた!」と判断したのかもしれませんが、私はそうではないと考えています。

私は栽培家です。有機栽培の研究をしています。
植物の病気は糸状菌が大半なのでウィルスとは違いますが、次亜塩素酸水の空間噴霧であることが起こりました。
空間では糸状菌ですらなかなか壊せませんが…(ある程度は壊せます)
ボタボタと落ちていきました!そして、空間にはほとんど存在しなくなりました。
花粉も同じ状態になります。有機物ではない塵なども同じです。
浮遊している物質に吸い付くように次亜塩素酸水のミストがくっつき、そして落ちていきます。

次亜塩素酸水の空間噴霧は壊すのではなく、落とす!

これが私の考え方です。
落とすのなら、いち早く落とした方がいい!

だから…

こういうのがいいよ!と言っていたわけです。
ミスト噴霧はパワーがありません。だから、飛沫の中のコロナウィルスを裸にできません。

こちらは動力噴霧器です!ものすごい勢いで噴霧します。

これだと、飛沫程度は飛沫ごとぶち壊します。
コロナウィルスを壊す確率はグンと上がります。
ただ、これはとても日常で使えるモノではありませんので、皆さんはスプレー噴霧します。

これだと、空間に浮遊する飛沫はとても壊せないですね。
でも、床やテーブルに落ちた飛沫は壊せて、中に潜むコロナウィルスに薬剤を当てることができます。

これでおわかりのように、コロナウィルスが都合良く裸で飛んでくれていることは稀だと思います。
何かに付着していても、裸とは考えられません。
ですから、次亜塩素酸水がミストではとても届かないんです。

有効塩素濃度を50ppmでミスト噴霧しても、空間の飛沫にうまく曝露濃度50ppmで当てても、その中のコロナウィルスに対しては曝露濃度ゼロです。
まあ、ゼロになるかどうかはわかりませんが、極めてゼロになるように思われます。

じゃあ、次亜塩素酸水の空間噴霧では浮遊するコロナウィルスは壊せないのか?

私は落として壊せると考えています。水道水では壊せませんが、次亜塩素酸水なら壊せます。
そして、空間噴霧した後は床掃除・吹き掃除するようにユーザーにはアドバイスしています。
次亜塩素酸水で落としているので、コロナウィルスが存在しても安心です。

これを踏まえて、人体への影響を考えてみてください。

目で見ていきますので、目は角膜上皮を考えてみましょう。
角膜上皮は裸でむき出しにはなっていません。涙、涙液で目は守られています。
人間の目を100年に渡って守り続けている人間の防御システムを私たちは持っています。
100年も守り続けるって凄いと思いませんか?

この涙液は、たとえば目が乾くと目が痛くなりますよね?浸みるような痛みが出ます。
空気が乾燥していて、この風が当たっても痛くなることがあります。
涙液で守って、さらに痛みで危険を知ることができます。

私たちは植物栽培、ガーデニングで次亜塩素酸水100ppmを噴霧しています。
庭で動力噴霧器をお使いの方もおられます。
風に煽られて薬液を頭からかぶったり、目に入ったりするときはありますよね?
でも、まったく浸みたりしませんよね?痛みなどまったくありません。
ミスト噴霧など比べものにならないほど、目に薬剤が当たっているのに目に影響が出ません。

その理由は?

涙液で守られているからです!

目に浸みる痛みも出ないということは、涙液だけで充分守り切れているということです。
人体に受ける塩素濃度は、残留塩素濃度です。
涙液に曝露している残留塩素濃度が100ppmであったとしても、角膜上皮の曝露濃度は極めてゼロに近くなっています。
だから、安全なんです。

ただし、噴霧が直接目に当たれば涙液の防御を壊して角膜上皮に薬剤が当たってしまいます。
でも、ミストはそういうパワーはまったくありません。
だから、加湿器によるミスト噴霧はさらに安全なわけです。

まあ、こういうのは気管支でも同じです。
細胞が弱いといっても、むき出しだと簡単に壊れます。目の角膜と同じです。
人間は生きているからこそ、防御システムがあります。
だから、ウィルスと人間の細胞は同じタンパク質の塊ではないんです。
ウィルスは飛沫の中に紛れ込んでいるだけですが、人間の細胞は高度な防御システムによって守られています。

だから、次亜塩素酸水の空間噴霧では事故も健康被害も起きないのです!

もちろん、安全性はしっかり担保しています。
涙液で守られていても、200ppm以上だと角膜上皮への曝露濃度は上がってしまいます。
ですから、200ppm以上では空間噴霧も通常噴霧も含めて禁止にしています。
また、涙液が少ない、目が乾きやすい人は角膜上皮への曝露濃度は上がってしまう可能性があります。
ですから、100ppm以上での噴霧は特別なときに限るとしています。
通常噴霧の濃度は100ppm以下としています。
さらに、次亜塩素酸水の空間噴霧、いわゆる加湿器でのミスト噴霧は曝露時間が長くなるのでさらに50ppm以下にすることで安全性をさらに担保しました。

これでさらに事故や健康被害は起こらなくなります。

いかがですか?
わかりやすくするために語弊もあるかとは思いますが、理解はできたでしょ?

では、本題に戻って、
「プールでは残留塩素濃度は1ppmまでなのに、どうして目が真っ赤に充血するのか?」

これは塩素が原因ではないんですね。知っている人も多いと思いますが…
プールが塩素臭い、目が痛く充血するのは塩素とアンモニアが反応してできるクロラミンという物質によるモノだそうです。
プールの水も水道水と同じで残留塩素濃度は1ppm以下なんですが、プールのほうがやけに塩素臭く感じる…
それはそういうことらしいです。
目の充血は塩素が原因ではなく、このクロラミンによるものだということですね。
ただ、私はそれだけではないと考えてますけどね。まあ、それはここではやめておきます。

一方、プールでは有名どころの菌やウィルスは1ppm以下で壊れちゃいます。
調べれば分かりますが、面倒なので皆さんで調べてください。
コレラ菌や赤痢菌は0.2ppm程度じゃなかったかな?
ウィルスも0.8ppm程度で壊れるとしています。
もし、コロナウィルスが0.8ppmで壊れなかったら、プールはクラスターが発生して危険ですね。

これ、気づきましたか?

菌やウィルスは1ppm以下の塩素で壊れちゃうんです。
目の充血は1ppmの塩素で角膜上皮が傷んだのではなく別の物質です。

ほら、防御システムが全然違うでしょ?(*^O^*)

もし、ウィルスを壊す濃度で人間の細胞も壊れるなら…
顔を洗えば、風呂に入れば、プールに入れば…
ケンシロウの百烈拳を受けたようにボコボコになり、「ひでぶ!」で破裂する!のかな?

でも、安心してください!履いてますよ!いや、守ってますよ!

でね、ここから大事なんです!

塩素は考え方が他の薬剤とは違う!

有効塩素濃度とか残留塩素濃度ってありますよね?
では、エタノールに有効濃度とか残留濃度とかあるのか?といえば、ありません。

エタノール70%が目に入ったら、濃度は無くなるまで70%です。
涙で薄まるかな?でも、角膜上皮にはかなりの高濃度で曝露します。

でも、塩素は涙に当たるだけで効果を無くすわけです。
200ppm以上にしたり、強く噴霧して涙の防御を壊わさないと角膜上皮に曝露させられないんです。

塩素は、菌やウィルスに強い毒性を出し、失活して効果を失う!

塩素は有効塩素濃度を正しく設定すれば残留塩素による事故や健康被害が起こりにくい!

これはメリットでもあり、デメリットでもあります。
だから、コレを活かせる現場・場面で使います。

たとえば、私がやっている植物栽培では、農薬は強い毒性があり、残効性も強くなってます。
これにより、食の安全への懸念、自然や生態系破壊が起こっています。
次亜塩素酸水を活用すれば、農薬ほど毒性は強くありませんが、失活して効果を失うので自然や生態系を壊しません。
これはそれぞれの特徴で、使いこなしていくモノです。

「失活して効果を失う」をメリットにするか、それともデメリットにするかは現場の手腕です。
水道水に塩素を使うのは、水道水が河川に流れても水道水の塩素は残っていないからです。
私たちが水道水で顔を洗うのも、お風呂に入るのも、料理で使うのも、飲用するのも…
塩素は残らないからです。

残留塩素濃度は、水道水やプールの大量の水に溶けた塩素のことです。
でも、すぐにこの残留塩素濃度は無くなります。

続く…