安全かつ効果的な4つの方法の解説の前に皆さんにはちょっとイメージしていただきます。

自動車の洗車をイメージしてください。
自分で洗車される人、洗車したことがある人はいますよね。

この洗車、水洗いだけではなかなか汚れが落ちません。
しっかり汚れや水垢を落とすには、今使っている洗剤をもっと濃くして使うか、それとももっと強力な洗剤を使うか…
薬剤のチカラを借りてなんとかしようとします。
でも、そうすれば問題は起こりますよね。
■塗装を傷めてしまうんじゃないか?
■人体には影響しないの?
■自然や生態系を壊さないか?

薬剤だけのチカラだと、こういう弊害も考えていかなければいけません。

でも…

噴霧技術や洗浄技術を向上させれば、薬剤による危険性をどんどん減らすことができます。
いつもよりももっと濃度を薄くしたり、もっと安全な薬剤に変えることもできます。
(洗車は私はそれほど詳しくないので、たとえが正解かどうかは別…)

次亜塩素酸水も同じように考えて使っていきます。(他の薬剤でも同じです)
ねっ、こういうことも知らないで効果だとか危険だとか言っている方が間が抜けているでしょ(*^O^*)

では、4つを順を追って解説します。

1.濃度調整

これはとても基本的なところですよね!
これすら知らずに、効果があ!危険があ!と言っても、なんのことやらということになります。

次亜塩素酸水濃度は、0ppm~1,000,000ppmまでとなりますが、1,000ppm以上は弱酸性だととても不安定なので使うことはありません。
800ppmを超えてくると体内細胞への影響があらわれますので、800ppm以上も使いません。
500ppm以下ですと人体への影響は見られません(刺激性はあります)し、濃度も安定しますので次亜塩素酸水は500ppm以下で扱います。
希釈タイプが500ppmというのが多いのは、これが理由です。

ただ、これは薬液自体の取り扱いであって使用し効果や安全性を引き出す場合はさらに濃度を考えていきます。

使用は200ppm以下、噴霧は100ppm以下、ミストは50ppm以下

ただし、たとえば200ppmを噴霧する場合は安全処置としてマスク着用などして使ったりはできます。
噴霧は100ppm以下というのは、噴霧すると鼻から吸い込みますので、刺激も感じないという濃度です。
ミストは50ppm以下というのは、ミストはさらに奥まで入りますのでさらに安全性を高めています。
ただ、噴霧すればミスト状の目に見えない小さな粒子がいっぱい作られます。スプレーでも実際はかなりの量が作られます。
ですが、曝露時間は短いので100ppmとなります。
加湿器による50ppmの空間噴霧は、曝露時間が長いのでさらに考慮して50ppm以下に濃度設定されています。

こういう感じで濃度は調整して使っていきます。
もちろん、濃度だけに頼ることはしません。他の3つと掛け合いながら消毒や除菌はやっていきます。

2~3ppmで菌やウィルスは壊れますが、でもウィルスはものすごい数がいますし他の菌やウィルスも同じところにいます。
汚れやほこり、塵、飛沫なら唾液の中にウィルスがいます。

また、医療や食品加工のように菌やウィルスを限りなくゼロにしなければいけない現場があります。
私たちの生活空間ではもちろんそういうことを考えれば弊害が起きます。

じゃあ、どれぐらいの濃度で使えばこの現場にはふさわしいのか?

こうやって考えていきます。
まあ、濃度は皆さん理解している人も多いと思います。

2.曝露時間

ここまでは理解できている人も多いですが、でもこれだけでは本当は足りません。

■シャーレの中にコロナウィルス1万個が入った溶液を入れ、それに次亜塩素酸水50ppm溶液で消毒処理をしたら1分ですべてのコロナウィルスが不活性化した。

ここでの曝露時間は1分間となります。
「50ppmを1分間、コロナウィルスに当て続けた結果」ということですね!

ブッブー!(*^O^*)

そうなんです。皆さんこうやって勘違いするんです。
1個のコロナウィルスに50ppmを1分間当て続けたらコロナウィルスが壊れた!って思っていませんでしたか?

だから、「そっか!コロナウィルスは50ppmだと1分間は浸けておかないといけないんだ!」となってしまうんです。
その結果として産まれたのが、「ヒタヒタ」なんですけどね。

医師の方がこう言っていました。
「次亜塩素酸水だとコロナウィルスを不活性化させるのに時間がかかるから使えないんです!」
「だって、不活性化させるのに50ppmだと1分もかかりますよね?」
「だからといって、濃度を上げて不活性化させる時間を短縮するわけにもいかないでしょ?」
これがトンデモ科学ですねえ…

実証テストをもういちど見てみましょう!

次亜塩素酸水50ppm溶液で消毒処理を1分やっていたら、1万個いたコロナウィルスが全部不活性化したよ!ということです。
誰も、1分間でウィルスが壊れたなんて言っていませんよね?
これだと時限爆弾みたいなイメージですよね。
1分間が近づいて、5秒前4、3、2、1、ゼロで1万個が一気にドッカーンと壊れる。
逆に見てみたい(*^O^*)

時限爆弾よりはマシンガンをイメージしてください。
1分間の間に次々と壊れていって、1分経ったら用意していた1万個が全部壊れたよ!です。

じゃあ、30秒だったらどれぐらい壊れていたんだろう?10秒だったら?

次亜塩素酸水は菌やウィルスに当たると瞬殺なんですが、1万個だと時間がかかります。
なんせ、次亜塩素酸分子は菌やウィルスにあたると無くなっちゃうので、次の次亜塩素酸分子が当たらないといけません。
でもね、ほぼ瞬殺です!

曝露時間というのは、何個壊せるか?で考えるとわかりやすいですね。
100ppmで1分間だと1万個だけど、50ppmなら1分間で3千個だったよみたいな…

でもね、こんなことがわかったって使えないよね?
テーブルを除菌したいけど、このテーブルには一体いくつのウィルスがあるの?他の菌も居るよね?汚れもあるよね?
だから、ヒタヒタなんてアホだよねえ!ってことなんです。

■シャーレの中にコロナウィルス1万個が入った溶液を入れ、それに次亜塩素酸水50ppm溶液で消毒処理をしたら1分ですべてのコロナウィルスが不活性化した。

これはね、現場では浸け置き専用のデータなんです。
そして、それ以外ではよほどの専門分野以外では曝露時間は考慮しません。

ですから、こういうデータは「50ppmなら間違いなくコロナウィルスは壊せているな!」と見るってことですね。

まあ、あえて言うならシュッシュよりはシュッシュッシュ、シュッシュッシュよりはシュッシュッシュッシュッシュのほうが薬液に当たっている時間は長いよね?ぐらいですが…
これだと曝露時間よりは曝露量になります。

ただ、濃度との関係は理解してもらえると思います。

■濃度が高いと曝露時間は短くなる
■濃度が低いと曝露時間は長くなる
■曝露時間を長くすれば濃度は低くできる
■曝露時間を短くすれば濃度は高くしないといけない

続く…